実は、今、農業にもドローンの波が来ています。

ドローンは人の手が届かないところの調査にとても役立ちます。その特性を活かして現在では災害の現場や、建築の現場でも活躍しています。そして、そのドローンが今度は農業の世界にも足を踏み入れました。

ラジコンヘリに変わるドローン

[char no="3" char="近所のおっさん"]最近ドローンが農業の場でも活躍しているらしいぞ。[/char]

筆者の実家は農業を営んでいるのですが、そんな農業の世界にもドローンは進出して来ました。使われるのは「農薬散布」です。ドローンのトップメーカーであるDJIが販売している「AGRAS MG-1」もその一台です。

AGRAS MG-1は強力な推進システムにより、農薬や肥料などの液体を10kgまで搭載し飛行することが可能です。また、そのスピードとパワーの組み合わせにより、わずか10分で4,000-6,000 平方メートルの面積をカバーすることが可能であり、手作業に比べ40～60倍のスピードで作業を行うことができます。さらに、インテリジェントスプレーシステムが、飛行速度によって散布量を自動的に調節し、常に液体を均等に散布することを可能にします。これにより、農薬と肥料の量を厳密に調整することが可能となり、汚染を防ぎ、かつ無駄な散布をなくしてコストを削減することが可能となります。
DJIのサイトより抜粋

今まで、ラジコンヘリでの農薬散布などもありましたが実に数百万円単位での費用がかかっていました。当然、個人で所有できるはずもなく、いくつかの農家が共同で購入したり、自治体で購入し共同で使ったりするようなものでした。また、運用自体もかなりの習熟度が必要とされ、便利ではあるもののそれほど普及しなかった原因の一つに挙げられています。

ここに来てマルチコプター、いわゆるドローンが注目を浴びています。操作がラジコンヘリに比べて容易なのと、経費面です。すでにいくつかの販売店で農薬散布用のドローンが販売されていますが、ドローンであれば個人でも十分に購入できる範囲の価格帯で流通しています。

しかしまだ一般的にはなっておらず、何よりそのドローンを運用するオペレーターの数が圧倒的に不足しています。ラジコンヘリに比べていくら操作が容易とはいうものの、ある程度の習熟は必要になります。

ドローン規制法

平成27年7月に航空法の一部が改正され、平成27年12月10日からドローンやラジコン機等の無人航空機の飛行ルールが新たに導入されることとなりました。

ドローンには地方公共団体が定める条例や小型無人機等飛行禁止法等により飛行が禁止されている場所・地域があります。国土交通省への申請にあたっては、必ず、飛行を希望する地域で無人航空機の飛行が可能か確認し、必要な手続きを済ませなければいけません。

また、申請書は飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに、申請内容に応じて、国土交通本省又は空港事務所あてに不備等がない状態で提出する必要があるので、時間に余裕をもって申請しなければいけません。さらに現在では、申請が非常に混み合っているようで、場合によっては飛行開始予定日から３～４週間程度余裕をもって申請しなければ間に合わなかったりするようです。

参照：国土交通省「無人航空機（ドローン・ラジコン機等）の飛行ルール」

ただし、機体本体の重量とバッテリーの重量の合計200g未満の重量のものは除外されます。つまり、200gに満たない重量のドローンであれば、飛行の申請がなくとも自由に飛ばすことができるわけです。